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2024年9月20日成長する組織、御社はどの成長段階ですか?

組織の発展モデル

技術も人も、企業も成長します。同じように、組織も成長していくことをご存知でしょうか?
組織にも成長段階に応じた組織体制が存在します。スタートアップ時には、創業者のリーダーシップが必要ですし、家業的な経営体制となります。
しかし、そのうちに家業的な組織は、企業的な経営組織へと成長を果たし、さらに成熟を重ねる中で、様々な困難にぶつかりながらも、組織は成長・発展・成熟の道をたどっていきます。
それぞれの成長ステージに応じた適切な人材の登用も、組織の成長の鍵を握る重要な要素です。
今回は、組織体制が各成長ステージにおいて、どのような問題に直面し、どのような経過を経て成長していくのかをご紹介します。

組織の成長と発展を理解するために、いくつかの発展モデルが提唱されています。
これらのモデルは、企業が直面する課題やそれに対処するためのステージを示し、組織が進化するプロセスを可視化するのに役立ちます。
ここでは、代表的なグレイナーの成長発展モデルを紹介します。

グレイナーの成長モデル

このモデルは、企業が成長するにつれて段階的に直面する危機を描いています。
グレイナーは、企業の成長を5つのフェーズに分け、それぞれに対応する「進化」と「革命」の過程があるとしています。

(第1段階) 創造性による成長とリーダーシップの危機

創業の段階では、創業者がリーダーシップを発揮して組織を引っ張ります。
創業者は営業から管理まで、すべてをこなします。細かなマネジメントは存在せず、そのため業務の拡大とともに管理や効率性の面で限界が訪れます。
これが「リーダーシップの危機」と呼ばれる時期であり、この危機を乗り越えなければ、組織の成長は個人商店レベルで止まってしまいます。

(第2段階) 指揮による成長と自主性の危機

この段階では、個人商店的な組織が企業的な組織へと成長します。
組織に階層ができ、役職者という責任者が生まれます。また、営業部門や管理部門といった専門化が進みます。今まで創業者がすべて行っていた業務が細分化され、権限と責任が組織全体に配分されます。
ルール化と組織化が進み、トップダウンでの指揮のもと組織が動きます。
しかし、トップの指示に対して「指示待ち」の社員が増えたり、トップの意思決定が現場と乖離することにより、組織の成長が頭打ちになることがあります。
これを「自主性の危機」と呼びます。

(第3段階) 委譲による成長と統制の危機

「自主性の危機」を迎えた企業は、各管理職や現場の社員に対して権限の委譲を行います。
トップダウンではなく、社員それぞれが自主性に基づいて意思決定を行うことで、創意工夫が進み、組織全体で大きな成果を上げられるようになります。
経営陣にない新たな発想や考え方によって、組織はさらに利益を生み出すことが可能になります。
しかし、この自主性がやがて縄張り意識や個別の価値観の違いを引き起こし、グループごとの対立が発生し、会社全体の動きが統制できなくなる事態に陥ります。
これを「統制の危機」と呼びます。

(第4段階) 調整による成長と官僚的形式主義の危機

組織が「統制の危機」を迎えた際、これを打破するためには、管理者教育を通じて管理職の視野を広げたり、調整機能の拡充(管理者会議や権限規程)によって全体最適化を図る必要があります。
この段階では、組織はそれなりの規模に成長しており、組織全体を調整だけでコントロールすることが難しくなってきます。
そこで手続きの厳格化などの方法で全体最適を強化するため、管理部門がより強固なものになっていきます。
しかし、これが進みすぎると官僚的、いわゆるお役所的な手続きの厳格化が進み、稟議制度の弊害や行き過ぎた担当制、事なかれ主義などの「大企業病」を患うことになります。
これを「官僚的形式主義の危機」と呼びます。

(第5段階) 協働による成長と新たな危機

形式化や組織間の調整手続きが行き過ぎた状態を打破するため、再び自律した組織を目指す必要があります。
第3段階では「権限移譲」が組織の自律性を強化する鍵でしたが、第5段階では「協働」が重要な役割を果たします。
大規模な組織では、社内カンパニー制度や新規事業の構築、分社化など、抜本的な改革を行うことで、革新性を取り戻すことが求められます。
しかし、組織が大きくなればなるほど、再び新たな危機が発生する可能性があります。

組織の成長課題の把握の重要性

組織が成長には、直面する課題や危機に対処するためには、適切な人材の育成や登用が不可欠です。
リーダーシップの発揮や権限委譲、調整機能の拡充、さらには協働による成長が求められますが、これを支えるのが効果的な人事制度の構築です。
適切な人材を適切なタイミングで登用し、組織のニーズに合わせて柔軟に対応できる人事制度が、組織の成長を支え、持続的な発展を可能にします。

人事制度の導入は、単に組織の現状に対応するだけでなく、将来の成長を見据えた基盤を作る重要な一手となり、
さらなる飛躍を目指すためには、人材戦略を軸に据えた長期的な視点が欠かせません。
人事制度を強化し、組織の成長を支える土台を整えることで、企業は変化の中でも安定的に成長し続けることができると考えられます。

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